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昭和31年上期に出版された著書

少女の野面
短篇小説集

当初、この作品の題名は「少女野面(をとめのづら)」とつけられていました。(「室生犀星全集 別巻二」p183)
少女の野面(おとめののづら)
鱒書房刊 初版7,000部発行
昭和31年1月31日発行 新書判 カバー
参考価格 2,000 ~ 3,000
入手困難度 ★★
犀星は、昭和31年1月29日の日記に「『少女の野面』出来、これは下等な帯をつけられ、不出来であり、不愉快である。」と書いています。(「室生犀星全集 別巻二」p279)
コバルト新書の1冊として発行されています。
表紙の絵は東郷青児の手によるものですが、残念ながら状態の良いものは少ないようです。
少女の野面(初版)カバー
少女の野面(初版)表紙
少女の野面(初版)奥附

舌を噛み切つた女
短編小説集

舌を噛み切つた女
河出書房刊
昭和31年2月5日発行 新書判 カバー
青空文庫 http://www.aozora.gr.jp/cards/001579/card56454.html
参考価格 2,000 ~ 3,000
入手困難度 ★★
本文の題名に「舌を噛み切つた女(またはすて姫)」との記載があります。
武者小路実篤の装幀です。犀星は、昭和31年1月29日の日記に「『舌を噛み切つた女』出来、先づよい出来なり。」と書いています。(「室生犀星全集 別巻二」p279)
犀星のこの「先づよい出来なり」というのは作品ではなく、本の装幀を指していると思われます。
舌を噛み切つた女(初版)カバー *1
舌を噛み切つた女(初版)本
室生犀星詩集(初版)奥附

舌を噛み切つた女(新潮文庫) ※1
新潮社刊
昭和32年5月25日発行 文庫判 帯
参考価格 1,000 ~ 2,000
入手困難度 ★

舌を噛み切つた女(文庫)表紙
舌を噛み切つた女(文庫)裏表紙
舌を噛み切つた女(文庫)奥附


地獄花(舌を噛み切つた女) 新潮文庫 ※1
新潮社刊
昭和32年5月25日発行 文庫判 カバー、内側に帯
参考価格 2,000 ~ 4,000
入手困難度 ★★★
本来、室生犀星の著書にはない「地獄花」の表紙の付いた珍しい?1冊です。背表紙には「~舌を噛み切った女~」との副題(本来は本題のはずですが)が申し訳なさそうに入っています。詳細は「犀星著書収集の記録」ページに記載しています。
また、「室生犀星作品集(全12巻)」(新潮社刊 昭和33年11月25日~ 昭和35年5月31日)月報に掲載されている「室生犀星書誌(6)」伊藤信吉編には、「(カバーの表題は『地獄花』)」との記載があります。

地獄花(舌を噛み切つた女)カバー表紙
地獄花(舌を噛み切つた女)カバー裏面
地獄花(舌を噛み切つた女)カバーをはずした状態

映画「地獄花」ポスター
犀星の小説「舌を嚙み切った女」を原作とした映画で昭和32年6月25日に公開されました。その時の映画館等に貼られていたポスターです。

映画「地獄花」DVD
犀星の小説「舌を噛み切った女」を原作として監督・脚本 伊藤大輔で昭和32年6月25日に公開されました。

「大映」NO.11(昭和32年5月20日発行)に掲載された特集「話題作と主役たち」として映画「地獄花」の記事が掲載されています。

時代映画 昭和32年6月号(昭和32年6月1日発行)
「大映特集」として
【絵コンテ】地獄花より(大州 齊)
地獄花 ーシナリオー(伊藤大輔)が掲載されています。
その他にも裏表紙には、「地獄花」の映画広告が掲載されています。
この中で「地獄花」は、「大映のヴィスタビジョン第一作 王朝末期の信氏の生活を背景に、豪快なスペクタクルを、そして、生への執着を描き出す伊藤大輔の野心作 主演は鶴田浩二と京マチ子」と紹介されています。

王朝日記随筆集(蜻蛉日記)
作品集

王朝日記随筆集 日本国民文学全集7
河出書房刊
昭和31年2月25日発行 菊大判 函
参考価格 1,000 ~ 2,000
入手困難度 ★★

王朝日記随筆集(初版)函
王朝日記随筆集(初版)本
王朝日記随筆集(初版)奥附

王朝日記随筆集 国民の文学7
河出書房新社刊
昭和39年9月20日発行 四六判 函、帯
参考価格 1,000 ~ 2,000
入手困難度 ★★★
「国民の文学」第7巻として新たに出版されました。帯には「王朝の美をいろどる女性愛物語」の記載があります。
王朝日記随筆集(新版)函
王朝日記随筆集(新版)本
王朝日記随筆集(新版)奥附

蜻蛉日記(かげろうにっき) 岩波現代文庫/文芸225
岩波書店刊
平成25年8月20日発行 文庫判 カバー、帯
販売価格 1,040(税別)
入手困難度 現在も購入可能
巻末には、「本書は、一九五六年二月、河出書房より刊行された『日本国民文学全集』7「王朝日記随筆集」に収録された。後に同社から、一九六五年十一月に刊行された『日本文学全集』3にも収録された。本書は、『日本文学全集』3を底本とした」との記載があります。
蜻蛉日記(岩波現代文庫)カバー
蜻蛉日記(岩波現代文庫)本
蜻蛉日記(岩波現代文庫)奥附


妙齢失はず
短篇小説集

妙齢失はず
新潮社刊 初版6,000部発行
昭和31年3月10日発行 B6判 帯
参考価格 2,000 ~ 3,000
入手困難度 ★★
犀星は、昭和31年3月10日の日記に「谷田昌平『妙齢失はず』出来、持参、表紙の女の顔しずみがちにて困る。」と書いています。(「室生犀星全集 別巻二」p284)
やはりこの手の本では、帯付きが非常に少なく貴重です。
妙齢失はず(初版)帯
妙齢失はず(初版)裏表紙
妙齢失はず(初版)奥附

妙齢失はず(別版)
新潮社刊
昭和35年6月25日発行 新書判 カバー、帯
参考価格 1,000 ~ 2,000
入手困難度 ★★★
「ロマン・ブックス」の一冊として新たに出版されました。
妙齢失はず(別版)表紙
妙齢失はず(別版)裏表紙
妙齢失はず(別版)奥附

先日入手した1冊には帯が附いており、初めて帯附きということが判明しました。帯には「天性の美貌と清らかな心とを備え持つ一人の女性が、身に背負いきれない苦悩の重荷に耐えながら強く生きぬいていく姿を、きびしく刻みあげた感動長篇力作。」との記載があります。



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