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星より来たれる者 |
詩集(一部随筆含む)
比較的市場には流通していますが、非常に高価です。最近インターネット古書店で入手しました。
巻頭の我庭の景と題された中の「藁」や「冬」、「どうどう廻り」の3篇については、これ以前(大正10年2月17日)に新潮社から出版された「現代詩人選集 詩話会編」に掲載されています。
これについて、「室生犀星書目集成」で確認してみたところ「冬」のみが初出「人間(大正10年3月1日号)」となっているものの「藁」、「どうどう廻り」の2つの詩は、初出「不詳」となっており、この「現代詩人選集 詩話会編」のために書き下ろされた詩の可能性もあります。
また、その中で「どうどう廻り」については、一部違いがあり掲載される際に手を入れているのがわかります。
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星より来たれる者
(初版)本 *1
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星より来たれる者
(初版)本
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星より来たれる者
(初版)奥附
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「星より来たれる者」の中扉の扉絵です。装幀と同様に恩地孝四郎氏の手によるものです。函と共通の意匠となっています。 |
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この「星より来れる者」について「室生犀星全詩集」(昭和三十七年三月十日 筑摩書房刊)の巻末の「解説」で犀星自身が、以下のように記しています。
「『寂しき都会』の姉妹篇の趣きが随処にうかがはれるが、これも東京遊行篇の幾聯かである。そのため物証風な素材があつかはれ、十数篇を定本から取り除くことにした。
漸く小説を書きはじめてゐ頃なので詩中に呻吟する機会を取り遁がたし、もつぱら詩中遊泳をこころみた
やうであつて、削除に就てはこれまた未練を持たなかつた。詩といふものは其処だけに専念没頭すべきであつて、他の文学形式の中からは詩は掴めないやうである。詩と小説のちがひは文学の湧いてくる処がすでに異つてゐるやうで、これを混合すればどちらかが敗北しなければならない。どちらも生かすことはその制作当時にあつて決められてゐても、後年三四十年も経つとその異ひの大きさは遂に抹殺するより外はないのである。善意の抹削といふことがどれだけ他の詩を生かしてくれるかに就ては、全く同じ感覚印象が詩の中に四十年間に亘つて反芻されてゐることでも判るのである。」
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室生犀星詩選 |
詩選集
アルスから出版された非常に珍しい1冊です。なかなか市場にはでてきません。先日、ヤフオクに出品されていましたが、残念ながら落札することができませんでした。最近はときどき市場にでてくるようになりました。
「抒情小曲集」のアルス出版の新版の巻末の広告には「本書は詩集『青き魚を釣る人』以外の至純にして純情の限りをつくせる。『抒情小曲集』人間愛の大道に歌える『愛の詩集』、『第二愛の詩集』著者多年の苦労より更に転じて静安の境に入り、極まりなき都会の諸相を凝視して唄へる『寂しき都会』等著者の金澤時代より今に至る全詩作中より、最も代表的にひて、得心の作を選載せるものなり。」と記載されています。
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室生犀星詩選(初版) 本 *1
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室生犀星詩選(初版) 函
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室生犀星詩選(初版)奥附
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抒情小曲集(新版)の巻末に掲載されているアルス社刊の「室生犀星詩選」の広告です。
本書は詩集「青き魚を釣る人」以外の至純にして純情の限りをつくせる。「抒情小曲集」人間愛の大道に歌える「愛の詩集」、「第二愛の詩集」著者多年の労苦より更に転じて静安の境に入り、極りなき都会の諸相を凝視して唄える「寂しき都会」など著者の金澤時代より今に至る全詩作中より、最も代表的にひて、得心の作を選載せるものなり。
との記載があります。 |
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田舎の花 |
詩集
「田舎の花」は、新潮社の現代詩人叢書20冊の中の1冊として出版されています。相当の数の版を重ねており、初版を含めて市場での流通量は多いようです。重版であれば数千円程度で購入可能です。
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田舎の花(初版)表紙 *1
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田舎の花(初版)中扉
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田舎の花(初版)奥附
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田舎の花 現代詩人叢書4
新潮社刊
大正13年4月6日 第十一版発行 菊半裁変形判
参考価格 1,000 ~ 2,000
入手困難度 ★★ |
第十一版の書影です。印紙の印が角印から丸印に変更されています。また、裏表紙中央に写真の通り新潮社のマークが入っています。大正15年の第十二版まで発行されているようです。
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田舎の花(第十一版)表紙
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田舎の花(第十一版)裏表紙
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田舎の花(第十一版)奥附
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この「田舎の花」について「室生犀星全詩集」(昭和三十七年三月十日 筑摩書房刊)の巻末の「解説」で犀星自身が、以下のように記しています。
「その大半を削除した。一冊の集から七篇をのこし後は全部除いた。このやうに気にいらない作をのこさないだけでも、作者としては爽快な抹殺であつた。詩は削ることによつて生き、その正味の韻体をのこすことで、或る病める詩はその病ひから起き上ることが出来るものである。」
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走馬燈 |
中篇小説集
1冊目はインターネット古書店で9版を2,500円で購入し、その後2冊目をヤフオクで初版を3,000円で、落札しました。
初版はたいへん稀少で、今回以外はここ数年市場で目にすることはありませんでした。
直近で、3冊目をインターネット古書店で初版を3,000円で購入しました。(2017年9月23日)
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走馬燈(初版)本 *1
表紙の斜線が黒色
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走馬燈(初版)中扉
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走馬燈(初版)奥附
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先日、送られてきました古書目録で見つけて購入しました。この第六版は、初版と同じ装幀となっています。(2018年1月13日)
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走馬燈(第六版)本
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走馬燈(第六版)裏表紙
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走馬燈(第六版)奥附
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幼年時代 |
短篇小説集 現在も一般的に読まれて続けている著書です。
ヤフオクで初めて目にしました。参考文献等でも初版の書影は紹介されておらず非常に貴重です。
「室生犀星書目集成」では、金星堂名作叢書22となっていますが、初版では金星堂名作叢書23として出版されています。ちなみに「室生犀星全集 新潮社版」別巻二の「書誌」では、正しく金星堂名作叢書23となっていました。
この詳細につきましてはコラム『「幼年時代」の謎』で説明しています。
叢書の1冊として出版されているため、発行部数は多いと思われますが市場に出てくることはほとんどありません。
と書いていましたが、先日2冊目をインターネット古書店から購入しました。履歴から、過去に他にも1冊取り扱われていたようです。その他、ヤフオクでも過去に1冊出品されており、これまで4冊確認しています。(2024年8月21日追記)
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幼年時代(金星堂社刊)
初版 表紙 *1
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幼年時代(金星堂社刊)
初版 裏表紙
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幼年時代(金星堂社刊)
初版 奥附
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幼年時代(第6版) 金星堂名作叢書22
金星堂社刊
大正15年9月10日 第6版発行 文庫判 上製本
参考価格 3,000 ~ 10,000
入手困難度 ★★★★ |
相当の版を重ねていますが、重版でもほとんど市場に出てきません。
第6版では、金星堂名作叢書22として出版されています。
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幼年時代(金星堂社刊)
第6版 表紙
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幼年時代(金星堂社刊)
第6版 中扉
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幼年時代(金星堂社刊)
第6版 奥附
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犀星の小説「幼年時代」は、NHKで二度テレビドラマ化されています。 この台本は、その中で「少年ドラマシリーズ」として昭和51年1月19日から1月29日(全6回)まで放映されたものの第1回のものです。
これに関し、Webでも情報が公開されています。
テレビドラマデータベース
http://www.tvdrama-db.com/drama_info/p/id-15135
台本を確認したところ
原作 室生犀星、脚本 石堂淑朗となっていました。
残念ながら、このテレビドラマはDVD化等はされていないようです。
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幼年時代・あにいもうと 新潮文庫 ※1
新潮社刊
昭和30年3月15日 初版発行 文庫判 帯
参考価格 1,000 ~ 1,500
入手困難度 ★★ |
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幼年時代・あにいもうと
初版 表紙、帯
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幼年時代・あにいもうと
初版 表紙
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幼年時代・あにいもうと
初版 奥附
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幼年時代・あにいもうと 新潮文庫改版
新潮社刊
昭和45年10月30日 17刷改版発行 文庫判 帯
参考価格 300 ~ 1,000
入手困難度 ★ |
昭和30年3月15日版の改版になります。巻末の「解説」が乾 直恵著から伊藤信吉著に代わっています。併せて帯に記載されている整理番号も「103」から「103A」に変更されています。
収録されている作品は初版と同じです。
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幼年時代・あにいもうと
第17刷改版 表紙、帯
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幼年時代・あにいもうと
第17刷改版 表紙
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幼年時代・あにいもうと
第17刷改版 奥附
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幼年時代 旺文社文庫版
旺文社刊
昭和42年10月1日 初版発行
参考価格 1,000 ~ 1,500
入手困難度 ★ |
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幼年時代(旺文社刊)
初版 函
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幼年時代(旺文社刊)
初版 本表紙
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幼年時代(旺文社刊)
初版 奥附
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忘春詩集 |
詩集(小説他)
大正11年の作品を収めた詩集
比較的入手が容易な詩集。扉に印刷された絵が秀逸です。
ただ、犀星としてはこの本の装幀が気に入らなかったようで、芥川龍之介宛の書簡の中で「亡春詩集一部おとどけいたしますから御落掌下さい。装幀等悉(ことごと)く失敗しましたが、中身だけ笑読下さるやうに、旅行はまだですか。」と書いています。(「室生犀星全集
別巻二」p353)
最近、ヤフオクで函附を落札しました。
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忘春詩集(初版) 函
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忘春詩集(初版) 本
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忘春詩集(初版) 奥附
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この「忘春詩集」について「室生犀星全詩集」(昭和三十七年三月十日 筑摩書房刊)の巻末の「解説」で犀星自身が、以下のように記しています。
「『忘春詩集』は当時最初の子供を喪つた後の、折にふれての吐息のやうにうたはれた聯作詩である。この重大な事件からもう四十年も経つてゐるが、その折の絶望感をよみがへらせて来るものは忘春外数十篇の詩が、いまの私の前に控へてゐて、私はそれもこれも私の人となるための巡り合せであつたやうに思はれる。その四十年後には私は妻を失ひ、永年に亘る生活層を読み分けるための『忘春詩集』といふ墓標は、遠くの山上に建つて燃える一つの火に見え、火はその母の分と二つ点火されてゐる訳である。私は永く生きてゐたかどうかも、いづれは決定される日が何処かに存在するのであらう、それまでは生きねばならないのである。」
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