ヘッダーイメージ 本文へジャンプ
昭和33年に出版された著書

刈藻
随筆集
帯の背には、「杏っこ」に次ぐ著者の随筆集と記載されています。
巻頭の「さきがき」に犀星は、「随筆はぢんあ短い文章にも、頭も胴も尾もなければならない完きものである。それらには濃い色が塗られ彫が施される小品刻文であって、或る物は高麗青磁の象嵌に似ている。私の本来は詩人でも小説化でもなく、どうやら市井の一随筆家だからかも知れないのである。」と書いています。
刈藻
清和書院刊
昭和33年2月12日発行 四六判 カバー、帯
参考価格 2,000 ~ 3,000
入手困難度 ★★
「さきがき」に犀星が、「表紙絵は岸田劉生氏(「魚眠洞随筆」大正十四年)に描いて貰ったったもの」と書いています。確認すると確かに「魚眠洞随筆」の函に描かれているものと同じ絵のようです。非常に上品な装幀です。
再版(昭和33年3月8日発行)まで確認されています。
刈藻(初版)カバー
刈藻(初版)本
刈藻(初版)奥附
刈藻(初版)帯

翡陶(刈藻の改題)
有信堂刊
昭和35年1月10日発行 B6判 函
参考価格 2,000 ~ 3,000
入手困難度 ★★
刈藻の改題として出版されています。表紙の絵はほとんど同じでカバー装から、函付きに変更されています。
再版(昭和35年3月15日発行)まで確認されています。
翡陶(初版)函
翡陶(初版)本
翡陶(初版)奥附

つゆくさ
短篇小説集

つゆくさ
村山書店刊
昭和33年3月20日発行 四六判 カバー、帯 初版3,500部発行
参考価格 2,000 ~ 3,000
入手困難度 ★
帯附きは非常に貴重です。元パラ、献呈カード附きです。
第三版(昭和34年2月15日発行)まで確認されています。
つゆくさ(初版)カバー
つゆくさ(初版)本
つゆくさ(初版)奥附
つゆくさ(初版)カバー
つゆくさ(初版)帯

我が愛する詩人の伝記
評伝集
「婦人公論」に昭和33年1月号から12回連載され、第13回毎日出版文化賞を受賞しています。しかし、この本には「佐藤惣之助」には掲載されていません。遺族の反対があり、掲載できなかったようです。
「室生犀星全集 別巻二」の補遺の中で「我が愛する詩人の伝記(補遺)」として掲載されています。また、この経緯についても「室生犀星全集 別巻二」の後記として中野重治氏が記載しています。(「室生犀星全集 別巻二」p509)
我が愛する詩人の伝記
中央公論社刊
昭和33年12月15日発行 四六判 カバー、帯 初版15,000部発行
参考価格 2,000 ~ 3,000
入手困難度 ★
版が重ねられており、第十二版(昭和49年9月30日)まで確認されています。
我が愛する詩人の伝記(初版)カバー
我が愛する詩人の伝記(初版)本
我が愛する詩人の伝記(初版)奥附
我が愛する詩人の伝記(初版)帯

本当は12人いた「我が愛する詩人の伝記」に登場する詩人たち
昭和33年12月15日に中央公論社から出版された「我が愛する詩人の伝記」には、北原白秋、高村光太郎、萩原朔太郎など11人の詩人の評伝が収録されています。これらは昭33年1月から雑誌「婦人公論」に12回連載されたもので、実際には12人の詩人の評伝が掲載されました。収録されなかった1人の詩人については、「室生犀星全集(新潮社版)」第十巻の「解題・校訂(伊藤信吉著)」にその理由が記載されています。
「初出雑誌にはこのほか『佐藤惣之助』をも発表し、併せて十二篇だった。しかし、『佐藤惣之助』については、佐藤家遺族から内容が穏当でないとの強硬な抗議があり、それと争うことの煩わしさ(略)から、ついに単行本から除外した。本来ならば十二篇の詩人伝となるべき筈だったのである。」
最終的には、「室生犀星全集(新潮社版)」別巻二の「附記」(伊藤信吉著)に「『我が愛する詩人の伝記』の『佐藤惣之助』は、本全集第十巻の「解題(五二九頁)で述べたような事情から、本全集では削除してあったものである。その後、全集編集委員会を代表して中野重治が佐藤家に赴き、本全集に収録する諒解を得たので、これを補遺として収録した。」との記載の通り、
「室生犀星全集(新潮社版)」別巻二の補遺に12人目の「佐藤惣之助」が掲載されています。

昭和34年11月3日「我が愛する詩人の伝記」で毎日出版文化賞を受賞
左の「我が愛する詩人の伝記」(初版)には、「毎日出版文化賞受賞」と大きく掲載された帯が巻かれています。
初版は、昭和33年12月15日に発行されており、同様の装幀での最終版として第八版が昭和34年3月4日に発行と、その出版後の昭和34年11月3日に「毎日出版文化賞受賞」を受賞していることになります。
つまり、「毎日出版文化賞受賞」を記念して新たに帯が作られ、市場に残っていた本に、その帯を付け直したということになります。
初版は1万5千部、その後の八版までに1万8千部追加出版されており、この帯が初版についているのは非常に珍しいということになります。そのため後年に付け替えられた可能性もあります。
我が愛する詩人の伝記の「毎日出版文化賞受賞」と大きく掲載された帯

が愛する詩人の伝記(新装普及版)
中央公論社刊
昭和35年1月31日発行 新書判 カバー、帯
参考価格 1,000 ~ 2,000
入手困難度 ★★
この我が愛する詩人の伝記(新装普及版)の帯には、昭和34年11月3日の「毎日出版文化賞受賞」が掲載されています。
我が愛する詩人の伝記(新装普及版)カバー
我が愛する詩人の伝記(新装普及版)本
我が愛する詩人の伝記(新装普及版)奥附

我が愛する詩人の伝記(角川文庫)
角川書店刊
昭和40年5月10日発行 文庫判 カバー
参考価格 1,000 ~ 2,000
入手困難度 ★★★

我が愛する詩人の伝記(初文庫)カバー
我が愛する詩人の伝記(文庫)本
我が愛する詩人の伝記(文庫)奥附

我が愛する詩人の伝記(新潮文庫)
新潮社刊
昭和41年5月10日発行 文庫判 カバー
参考価格 1,000 ~ 2,000
入手困難度 ★★★

我が愛する詩人の伝記(新潮文庫)表紙
我が愛する詩人の伝記(新潮文庫)裏表紙
我が愛する詩人の伝記(文庫)奥附

全日本ブッククラブ会員向けに頒布されたもので、初版と同様に中央公論社から発行されています。初版は売価格290円でしたが、これは頒価460円と記載されています。
我が愛する詩人の伝記(全日本ブッククラブ版)
中央公論社刊
昭和45年10月1日発行 カバー
参考価格 1,000 ~ 1,500
入手困難度 ★
初版と比べて見ると、巻末の「後書」が、「あとがき」に改訂されています。目次では初版から「あとがき」となっていることから誤植だった思われます。
カバーには、「カバー写真 油瓦の光る金沢の家並 撮影 浜谷浩」との記載があります。
我が愛する詩人の伝記(AJBC版)カバー
我が愛する詩人の伝記(AJBC版)本
我が愛する詩人の伝記(AJBC版)奥附

我が愛する詩人の伝記(中央公論社刊 第十二版)

左の写影は、中央公論社刊の第十二版(昭和49年9月30日発行)です。
「室生犀星書目集成」(室生朝子、星野晃一編)では、第八版(昭和34年3月4日発行)まで記載がありますが、それ以降も出版されていたようです。
カバーは、全日本ブッククラブ版のものを利用しており、帯は初版のものと異なっています。



                  ←前ページ    次ページ→

フッターイメージ