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最終更新日 2025年3月22日


室生犀星の著書を探すならここから【50音順】
「児童雑誌の中の犀星」頁を更新 2024/10/9

犀星著書蒐集の記録【最新】頁を更新 2024/8/7
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随筆集「漁眠洞随筆集」が室生犀星記念館文庫として発刊(2025年3月26日)

随筆集「魚眠洞随筆」 カバー

初版「魚眠洞随筆」函
 なんと犀星最初の随筆集「魚眠洞随筆」 (新樹社刊、初版 大正14年6月25日発行)が、室生犀星記念館からオリジナル文庫として発刊されました。
 案内の中には、「発刊から100年を経た今年、当館初のオリジナル文庫としてよみがえりました。」と紹介されていました。
 初版時の函の表紙と裏表紙に描かれた岸田劉生氏の絵が当時のままの雰囲気でカバーに表現されています。カバーの色も当時の函に近い色が採用されています。気軽に当時の雰囲気で犀星の随筆に触れることができます。
 できれば、本の色も当時と同じ朱色だったらもっと良かったのですが。(個人の感想です。)
下の書影は初版の函です。

 随筆集「漁眠洞随筆」(室生犀星記念館文庫)
 室生犀星記念館刊
 第一刷 2025年3月26日発行
 「序」には、「ここに蒐めたものはみな郷里金沢で書いたものばかりである。」と書かれています。

詩集「室生犀星全詩集」の署名入りを入手(2025年2月15日)

詩集「室生犀星全詩集」 扉

詩集「室生犀星全詩集」函
室生犀星全詩集 限定1,000部(筑摩書房刊、初版 昭和37年3月10日発行)の署名入りをヤフオクで落札しました。商品説明には【肉筆署名?あり】との記載がありました。
中表紙の後の遊び紙(扉)に「犀」の筆署名がありました。私は、この「犀」を見たときに涙がでました。
犀星が亡くなったのが、昭和37年3月26日。そしてこの本の発行が3月10日。心待ちに待ったこの本が、生前犀星に届けられたことが、室生朝子著「晩年の父 犀星」(講談社刊、昭和37年10月10日発行)に書かれています。
「父の心待ちに待っていた、犀星全詩集が、筑摩書房から届いた。」「もしも仮にこの詩集が十日出るのが遅くなっていたら、父は見ることが出来なかった。」と。
でも、なぜ、死の間際にあった犀星が30部もの署名ができたのか。
この謎についても書かれています。
「全詩集の扉に、三十冊だけ父の署名入りの本を作ることになっていた。(二月)二十六日筑摩書房から取りに来られることになり、十日も前からその和紙は家に来ていた。」
そして「思いもよらずこの署名は、父の最後の筆による手であった。」と書かれています。
和紙に書かれた署名を製本の段階で挟み込んで製作されたようです。

ちなみに、署名には「犀」、「星」、「犀星」の三種類があります。
今回入手したものは、五十三番本でしたが、同様に「犀」の署名入りの五十一番本が市場にでていましたので、一番~三十番本に署名が入っているのではないようです。私自身十三番本も所蔵していますが、署名は入っていません。

詩集「鳥雀集」の異装本の3冊目を入手(2024年12月26日)

詩集「鳥雀集」異装本 函

詩集「鳥雀集」改装廉価版カバー
 なんと、直近で3冊目となる詩集「鳥雀集」(第一書房刊、昭和5年6月15日発行)の函の意匠が異なる異装本をメルカリで見つけて入手しました。
 犀星の書籍を集め初めて50年近くになりますが、この異装本を初めて見つけてヤフオクで入手したのが、2024年の8月、その後メルカリで11月に2冊目、そして12月に3冊目をメルカリで見つけて購入しました。さすがに3冊目は必要か悩みましたが、何かしらの予感があり、購入することにしました。
 受け取って驚きがありました。
 なんと函の中から取り出した本にカバーが掛かっていたのです。
 これまで、標準本も今回の異装本の前2冊にもカバー附きはありませんでした。また、書誌等にも、その記録はありません。
 なぜ、と思ってそのカバーを確認したところ、その謎が直ぐに解けました。カバーに「¥1.00」との記載があり、改装廉価版のカバーであることが解りました。
 以前、異装本に関して以下のような内容をここで報告させていただきましたが、改めてその書影を見直したところ異装本の函ではなく、この改装廉価版のカバーであることが判りました。
「ちなみに、室生犀星記念館には、この異装本が所蔵されているようです。2018年11月10日~2019年2月24日に開催された企画展「犀星の詩集」で配布された室生犀星記念館企画展ガイドペーパーには、この「鳥雀集」が紹介されており(p.1最下部)、そこにはこの異装本と同様の書影が掲載されています。」

 実は、この改装廉価版のカバーも今回初めて入手できたもので、これまで入手していた改装廉価版はカバー欠けでしたので、今回初めて確認することができました。
 この異装本に関して、どのような理由で作られたのか、どのような方法で販売されたのかは不明ですが、この本の出版社である「第一書房」が昭和4年11月25日に出版した「室生犀星詩集」でも同様の意匠の異装本を確認しています。

ポケットアンソロジー「室生犀星 都会の底の底に生きる人々」を購入(2024年12月15日)
 インターネットショップで、新しい作品媒体の「ポケットアンソロジー」で犀星を見つけて購入しました。
【室生犀星 短篇アンソロジー】 能地克宜・編「都会の底の底に生きる人々」田畑書店刊
 https://tabatashoten.shop-pro.jp/?pid=180896797
紙の媒体である雑誌や単行本は、今後無くなっていくのではと言われている中での新しい取り組みです。
敢えて紙でのチャレンジということで思わず購入してみました。
ポケットアンソロジーについて、「まったく新しい読書のカタチです。お好みの短篇小説(作品リフィル)を個別にお買い求めいただき、別売のブックジャケットに綴じると、あなただけの特別なアンソロジーが出来上がり。」との説明が書かれていました。
「都会の底の底に生きる人々」のタイトルが付いた「室生犀星 短篇アンソロジー」セットには、犀星の作品「街裏へ」「心臓」「幾代の場合」「あにいもうと」「原稿遺失」「続あにいもうと」「市井鬼記」の各分冊の他に、能地克宜氏のチュートリアルブック(解説書)「都会の底の底に生きる人々」(左写真)が附いていました。
また、セットの表紙には「文豪とアルケミスト」の室生犀星のキャラクターが描かれています。

雑誌「感情同人詩集」大正9年2月25日発行第五年第一集を入手(2024年9月2日)
 インターネットネット古書店から、雑誌「感情同人詩集」(第五年第一集)感情詩社刊、大正9年2月25日発行を入手しました。
ここには、犀星の詩「龜」「地に燃える」「高台にて」「ある制作」「街裏」が掲載されていました。
 その後、詩集「寂しき都会」(聚英閣社刊、大正9年8月20日発行)に収録されています。
 確認したところ、室生犀星書目集成」室生朝子、星野晃一編(明治書院刊、昭和61年11月25日発行)には、初出誌として紹介されていました。
 掲載された詩を確認しましたが。一字一句違うことなく収録されていることから、同じ原稿から起こされたと思われます。犀星は、転載されるごとに手を入れている場合が多く、加筆修正があるのではと興味津々に確認してみましたが、ちょっと残念でした。

少年雑誌「少年世界」第十一巻第九號を入手(2024年5月19日)
 先日、ヤフオクで少年雑誌「少年世界」第十一巻第九號(博文館刊、明治38年7月1日発行)を見つけて落札しました。
「室生犀星文学年譜」室生朝子、本多 浩、星野晃一編(明治書院刊、昭和57年10月20日発行)には、その存在が掲載されており、その内容の通りに犀星(署名「室生照文」)が応募した随筆「行く春」が、犀星の当時の住所とともに「少年文壇」の賞外に掲載されていました。(p.125)
公に掲載された犀星の作品の中でも最も初期の頃のものになります。
 「室生犀星文学年譜」(同)によるとその前に掲載されたのは明治37年に「北國新聞」への3回のみです。これまでも探していましたが、なかなか市場には出回っておらず、今回偶然に見つけて入手することができました。

〇行く春
加賀國金澤市千日町一番地 室生照文
机の上に生けた花も櫻ではなうて行く春を惜む
牡若の一輪咲で我は美しい春が今去ゐのを惜
んで此處公園まで杖を曳いたのであるが櫻は
名残も止めで樹々の梢は何時しか欝蒼たる緑
衣を着て鶯の聲も老いたらしく花と云う花は
珍らしく唯清い流れの小川に漸く春の色香を
偲ぶ牡若獨りそよ吹く風に戦いで居る。
哀れ四季中に最も人に愛されたる春も刻々迫
まつて又暑い夏とはなるのであるアゝ葉末に
宿る玉露も草や樹の涙と我は見るのであつた
楽しい春も今行くのである。

【新発見!】児童雑誌「ツヨイコヨイコ」昭和19年3月号を入手(2023年7月22日)
 先日、ヤフオクで児童雑誌「ツヨイコヨイコ」昭和十九年三月號を入手しました。以前、犀星の童話「蟻の町」の初出誌として子供雑誌「ツヨイコヨイコ」昭和十八年二月號~昭和十九年二月號と紹介していましたが、この昭和十九年三月號にも「蟻の町」が掲載されていました。
 童話集「五つの城」(東西社刊、昭和23年10月10日発行)に掲載された「蟻の町」では、最終話が「蟻の夢」となっていることから、「アリノユメ(ソノ二)」が掲載されている「ツヨイコヨイコ」昭和十九年二月號が最終話と想定していました。
 ところが、今回入手した「ツヨイコヨイコ」昭和十九年三月號には、「蟻の町」の最終話として「マタ、ハルニナリマシタ」が掲載されていたのです。この作品は、「蟻の町」が、童話集「五つの城」に収録されるにあたり、削除されたようです。
「室生犀星書目集成」室生朝子、星野晃一編(明治書院刊、昭和61年11月25日発行)では、「五つの城」掲載の「蟻の町」自体も初出は未詳となっていることから、「マタ、ハルニナリマシタ」は、新発見の作品のようです。
【新発見!】女性雑誌「愛」第2號を入手(2023年4月25日)
 インターネット古書店から珍しい京都日日新聞社発刊の女性向け雑誌「愛」の第2號(昭和23年7月25日発行)を入手しました。
 犀星の短篇小説「茱萸(ぐみ)」(p.10~15)が収録されていました。
 この雑誌や小説「茱萸(ぐみ)」関して、「室生犀星文学年譜」室生朝子、本多 浩、星野晃一編(明治書院刊、昭和57年10月20日発行)、「室生犀星書目集成」室生朝子、星野晃一編(明治書院刊、昭和61年11月25日発行)を確認してみましたが、記載はありませんでした。
 昭和8年に随筆集「茱萸の酒」が発行されていますが、そこに収録されている作品とも関連はなさそうでした。
犀星の未発掘の作品のようです。
集「故郷図絵集」の特製50部限定本のカバー附きを入手しました(2023年3月7日)
 詩集「故郷図絵集」の特製50部限定本のカバー附き、毛筆識語、署名入りの非常に貴重な1冊を入手しました。そこには「竹の幹秋近き日さし辷りけり」の俳句が書かれていました。
 これまで、入手していたものはカバー欠けで、しかも俳句、署名などはありませんでした。
 「室生犀星文学年譜」室生朝子、本多 浩、星野晃一編(明治書院刊、昭和57年10月20日発行)には、「俳句、署名入」との記載がありますが、これまで確認したものでは、全て「俳句、署名」は、入っていませんでした。
 今回、この一冊で毛筆識語、署名入りの存在を確認することができました。
 同時に、これも貴重な普通本(試し刷り)のカバー附きも入手しました。 これまで、普通本(試し刷り)については、カバー附きは未確認でした。  今後、普通本と普通本(試し刷り)とのカバーの違いなどを調査の予定です。謎の多い1冊です。
児童雑誌「ツヨイコヨイコ」昭和19年2月号を入手(2021年12月16日)
 以前、【新発見】犀星の童話「蟻の町」の初出誌発見として
童話「蟻の町」の中の「蟻一郎」が掲載された児童雑誌「ツヨイコヨイコ」五月號(第十三巻第二号、小学館刊、昭和18年5月1日発行)を紹介しましたが、その後「ツヨイコヨイコ」を追加で4冊入手しました。
 その中で、最終話「蟻の夢(その二)」が掲載された「ツヨイコヨイコ」昭和十九年二月號を入手し、童話「蟻の町」が掲載されたのが、「ツヨイコヨイコ」昭和十八年二月號~昭和十九年二月號とほぼ特定することができました。
 その後、昭和十九年三月號を入手し、確認したところ「蟻の町」の最終話として「マタ、ハルニナリマシタ」が掲載されていました。
 この作品は、「蟻の町」が、童話集「五つの城」に収録されるにあたり、削除されたようです。
 初回の昭和十八年二月號は、まだ現物での確認はできていませんが、童話集「五つの城」に掲載された「蟻の町」の書き出しが「二月は一ばん寒い月でありますから」となっていることから、掲載月号に合わせたものと思われます。
(また、昭和十八年正月號も入手していますが、そこには「蟻の町」の掲載はありませんでした。表紙には「幼稚園」改題との記載がありました。)
 参考までに、初出誌の想定を表にしています。蔵書に「〇」があるものは現物確認できているものです。
雑誌「キネマ旬報」No.556(昭和10年10月21日号)を入手(2022年1月22日)
 映画好きの犀星は雑誌「キネマ旬報」(キネマ旬報社刊)によく寄稿していましたが、6冊目となるNo.556を入手しました。(左写真)
 現時点で、「キネマ旬報」に犀星の作品が掲載されていることが判明しているのは以下の6冊で、掲載作品を確認することができました。
No.449(昭和7年10月1日発行)随筆「表情制作」 
No.484(昭和8年10月1日発行)随筆「鐵條網」p.64、p.67
No.523(昭和9年11月11日発行)随筆「批評を目的としないで見てみたい」
No.556(昭和10年10月21日発行)随筆「生命の花」p.74~75
No.574(昭和11年5月1日発行)詩「白晝(昼)夢」
No.592(昭和11年11月1日発行)随筆「映画雑感」


NHKのグレーテルのかまどに犀星が登場
2020年12月28日(月) NHKのEテレ1のグレーテルのかまどで、「室生犀星のようかん」がアンコール放映されました。(初回放送 2020年1月13日(月)
詳細は、NHKのサイトでhttps://www.nhk.jp/p/kamado/ts/VNWVWYKX3Q/schedule/te/6J125QXK1N/
最後のテロップで取材協力として「室生犀星書籍博物館」が紹介されていますが、今回番組内で紹介された「幼年時代」はじめ犀星の著書を番組撮影に提供させていただきました。
 私はよく実家へ遊びに行った実家はすぐ裏町の奥まった広い果樹園にとり圏まれた小じんまりした家であった。
 そこは玄関に槍が懸けてあって檜の重い四枚の戸があった。父はもう六十を越へていたが、母は眉の痕の青青した四十代の色の白い人であった。
 私は茶の間へ飛び込むと、「なにか下さいな。」と、すぐお菓子をねだった。その茶の間は、いつも時計の音ばかりが聞えるほど静かで、非常にきれいに整頓された清潔な室であった。「またお前来たのかえ。たった今帰ったばかりなのに。」
 そう言って茶棚から菓子皿を出して、客にでもするように、よく
ようかんや最中を盛って出してくれるのであった。
 母は、どういう時も菓子は器物に容れて、いつも特別な客にでもするやうに、湯気のあがる温いお茶といっしょに添えてくれるのであった。
~「幼年時代」室生犀星著より

この室生犀星書籍博物館について
室生犀星は詩人として小説家として150冊を超える著書を出版しています。再版、別版の類を含むと優に200冊を超えています。
犀星は自身の著書に対し並々ならぬ愛情と情熱を持ち、その思いは装幀、造本にまで貫かれています。「装幀は、その本の内容を色や感じで現すべきだが、その書物の内容を知るのは著者以外にない、装幀に一見識持たない著者があるとしたら、それこそ嗤うべき下凡の作者である」とまで言い切っています。
作品には、文庫本や全集などで容易に接することができますが、やはり初版本から全身で感じることが犀星を深く知ることになると思い、このHPでは初版本を中心に犀星の著書の書影を掲載しています。

この「室生犀星書籍博物館」では、最初に出版された初版本から今も書店で購入できる本までを大正10年より前は著書別に、その後は出版年毎に掲載しています。
 ここに掲載しました書籍の写真は基本的には私自身の蔵書を撮影したものです。できる限り函、帯など出版当時の状態に近いものを掲載しています。
(今時点で、犀星の単行本で入手できていないのは、詩集「抒情小曲集 特製本限定35部」四季社刊(昭和9年12月5日発行)の一冊で、その他、異装本が数冊、完本(函欠等)ではないものが10冊程度あります。そのため、一部未掲載のものがあります。)

 また、参考のために、その書籍の参考市場価格を記載しています。
この価格はこれまで市場で実際に販売されていた価格を参考にあくまで私の主観で決めているもので、なんら保証するものではありません。また古書価は本の状態により大きく変わりますので、状態が良い場合には、これ以上の価格が付くことも珍しくありません。特に最近ではヤフオクで非常にコンディションが良いものが出品されるようになってきました。当時の状態そのままに残っているというのは非常に貴重で、落札価格も比較的高価になってきています。

犀星ファンの方からや犀星に関する質問などございましたらお気軽にメールを頂戴できればと思います。
このホームページにつきまして、ご意見や要望、掲載の内容に誤りがあった場合には、ぜひメールでご連絡いただければと思います。
E-mail:
p_kojima@ma.medias.ne.jp

「このホームページで使用している画像は著作権の侵害を目的としたものではありません。著作権に関して問題がある場合は、早急に対処させていただきますので、お手数ですがメールにてご連絡くださいますようお願いいたします。」

書籍情報の見方
各書籍毎に以下の表が掲載されてます。見方は以下の通りです。
 ①書名
 ②出版社名
 ③その書籍の発行日、およびサイズ、函、カバー等が付属している場合は表記しています。
 ④装幀者名
 ⑤この著書を実際に読むことができるサイトを紹介しています。
 ⑥一般的な古書価(完本美品)を表示しています。
  (函欠)は、その状態での一般的な古書価を表示しています。
  また、*は直近でのヤフオク等での落札価格を表示しています。
 ⑦入手困難度を星の数で表現しています。星の数が多いほど入手が困難であることを示しています。
  最大★5つ。

 
(例)
 新らしい詩とその作り方①
 文武堂書店刊②
 大正7年4月10日発行 四六判 函③
 装幀 恩地孝四郎
 国立国会図書館デジタルコレクション http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/959361
 参考価格 40,000 ~ 60,000 (函欠 5,000 ~ 10,000)*38,680⑥
 入手困難度 ★★★★⑦


犀星の評論「剃刀の刃(かみそりのやいば)」が掲載された「私の人生論」(2021年4月3日)

  この「私の人生訓」(誠文堂新光社刊、昭和27年6月1日発行)には、犀星の評論「剃刀の刃(かみそりのやいば)」が収録されています。(p.31~34)
 「室生犀星書目集成」室生朝子、星野晃一編(明治書院刊、昭和61年11月25日発行)にも記載がなく単行本、全集など未収録の作品だと思われます。
 この作品は、「人にものを教へるということは、容易にできるものである。対手よりちょっと物知りであったら、その物知りの分だけを教へることが出来るのだ。教へるということは教へるだけであって、責任はない。」との独特な書き出しで始まっています。
「文藝林泉」に掲載の随筆「天龍寺の下駄」の初出誌を発見(2021年2月27日)


 随筆集「文藝林泉」(中央公論社刊、昭和9年5月23日初版発行)に掲載されています随筆「天龍寺の下駄」の初出誌を見つけました。
 「室生犀星書目集成」室生朝子、星野晃一編(明治書院刊、昭和61年11月25日発行)では、この「天龍寺の下駄」は、初出誌・紙 "未詳”とされています。
 その初出誌が、この雑誌「体制」二月号(制作社刊、昭和9年2月5日発行、第一巻第二号)です。発行日付も近く、間違いないと思われます。
 内容を確認したところ、同一の作品でしたが、初出誌の「制作」では、「履物」や「履く」を「覆物」、「覆く」との誤植があり、これらは「文藝林泉」では、正しい表記になっていました。
 犀星の無念さが、想像されます。
 月刊「さきがけ 」新年号(第三巻第一号)入手(2021年2月23日)
 先日、インターネット古書店で「犀星」をキーワードとして検索していると月刊「さきがけ」 新年号(第三巻第一号)(秋田魁新報社刊、昭和20年12月30日発行)という珍しい雑誌を見つけ、購入しました。
 内容を確認したところ、犀星の随筆「三度目の正月」(p.5)が掲載されており、軽井沢での三度目の正月の生活が書かれていました。
 確認したところ「室生犀星文学年譜」室生朝子、本多 浩、星野晃一編(明治書院刊、昭和57年10月20日発行)、「室生犀星書目集成」室生朝子、星野晃一編(同刊、昭和61年11月25日発行)のどちらにも記載はありませんでした。
 雑誌の中では、未知の犀星がまだまだ見つかる可能性があります。
ちょっと違う話題ですが
以下のURLは、「紙で作った日本建築のブログ」です。
http://kaz476.blog.fc2.com/

右の写真は天平宝字3年(西暦759年)に創建された
唐招提寺です。
その他に、遷宮のあった伊勢神宮江戸城天守閣 第三期厳島神社京都御所(紫宸殿)などの日本建築を紙で再現した模型の写真がアップされています。
興味のある方はぜひ立ち寄ってください。

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