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最終更新日 2020年8月1日


室生犀星の著書を探すならここから【50音順】
「兄いもうと」紹介頁を更新 2020/2/6
犀星著書蒐集の記録【最新】頁を更新 2020/5/6

NHKのグレーテルのかまどに犀星が再登場します。
2020年8月1日(土) NHKのEテレ1のグレーテルのかまどで、「室生犀星のようかん」が再放映されます。(初回放送 2020年1月13日(月)
詳細は、NHKのサイトでhttps://www.nhk.jp/p/kamado/ts/VNWVWYKX3Q/schedule/te/6J125QXK1N/
最後のテロップで取材協力として「室生犀星書籍博物館」が紹介されていますが、今回番組内で紹介された「幼年時代」はじめ犀星の著書を番組撮影に提供させていただきました。
 私はよく実家へ遊びに行った実家はすぐ裏町の奥まった広い果樹園にとり圏まれた小じんまりした家であった。
 そこは玄関に槍が懸けてあって檜の重い四枚の戸があった。父はもう六十を越へていたが、母は眉の痕の青青した四十代の色の白い人であった。
 私は茶の間へ飛び込むと、「なにか下さいな。」と、すぐお菓子をねだった。その茶の間は、いつも時計の音ばかりが聞えるほど静かで、非常にきれいに整頓された清潔な室であった。「またお前来たのかえ。たった今帰ったばかりなのに。」
 そう言って茶棚から菓子皿を出して、客にでもするように、よく
ようかんや最中を盛って出してくれるのであった。
 母は、どういう時も菓子は器物に容れて、いつも特別な客にでもするやうに、湯気のあがる温いお茶といっしょに添えてくれるのであった。
~「幼年時代」室生犀星著より
「あにいもうと」の映画台本等を入手(2020年7月31日)
先日ヤフオクで、TBSテレビで2018年6月25日に放映されました犀星原作の「あにいもうと」の映画台本(決定稿)を落札しました。
 このドラマは、脚本「山田洋次」、プロデューサー「石井ふく子」、演出「清弘 誠」。兄の伊之助は、「大泉 洋」、妹の桃子は、「宮﨑あおい」が演じています。
 TBSテレビの紹介ページ http://www.tbs.co.jp/aniimouto/
「あにいもうと」は、これまで7回テレビドラマ化と3回映画化されています。それ以外にも多くの舞台で講演されています。
 詳細は、「兄いもうと」紹介ページに記載しています。
遠野集(室生家私家本)夏冊25部の内の第1番本を入手(2020年5月9日)
先日、遠野集(室生家私家本)夏冊25部の内の第1番本を入手しました。
この1冊は貴重なもので、奥附に「夏冊25部の内の第1番本」との記載の他に赤字で「家蔵」との記載があります。
 なぜ「家蔵」となっているかについては記載はありませんが、夏冊の1番本であることと、句稿として附いている「夏めく」(左写真)について添付されている室生朝子氏著の「父と俳句」に記載があることが理由として考えられます。そこには、以下のような記載がありました。
「夏の句のなかで、夏めくと題する句は、
 靴音の記者は乙女か夏めかける
原稿は夏めかけるとなっていたが、昭和二十九年の五月に、ある女性編集者に書いた葉書にこの句がそえてあり、夏めけるとあった。あきらかに父の書き誤りであるので、活字の部分は訂正した。」と。
 その後、この葉書の内容を確認することができました。「室生犀星全集 別巻二」(新潮社刊、昭和43年1月30日発行)の書簡(昭和二十九年)の中の記者、小島きくえ氏宛の5月25日附の葉書(p.441)にこの句がありました。
詩集「鶴」特製限定46部本を入手(2020年5月3日)
先日、ヤフオクで犀星の詩集「鶴」(素人社書屋刊、昭和3年9月15日発行)の特製限定46部本が出品されており、他に入札する人もなく、出品価格であっけなく落札しました。
 通常本は、初版一千部発行されていますが、この特製限定本は、わずか46部しか発行されていない貴重なものです。
 大きな特徴は、本の装幀が布装となっており、そこには支那の布の絵をそのまま恩地幸四郎氏が複写した絵が描かれています。
 通常版の紙装と比較するとやや重厚な印象があります。
 それ以外にも、特製限定本専用の遊び紙に犀星の署名が入っており、奥附には、「四十六冊の内第十九」との手書きの書き込みがあります。この書き込みは、犀星との話がありますが、筆跡からは判断できませんでした。
 あと、奥附の価格のところに訂正紙が貼られ通常定価二圓から特製売価 三圓に変更されています。
雑誌「旅」12月号 犀星の随筆「ふるさとは遠くにありて想うもの」(2020年4月29日)
雑誌「旅」昭和27年12月号(第26巻第12号)日本交通公社刊、昭和27年12月1日発行に、犀星の随筆「ふるさとは遠きにありて想うもの 金沢の町をかたる」が掲載されていました。(p.26 ~ 29)
 「室生犀星文学年譜」(室生朝子、本多 浩、星野晃一編)を確認したところ、その後単行本や全集などに収録されていないようです。

 「金沢には犀川と浅野川との二つの流れがあって、その二つの流れに小さな町がぎっしりと両岸に実りながら、まるで杏の枝に杏が一杯もみついているように見えた。私は犀川のへりに家があったからたまにしか、浅野川の方の町に行かなかった。…」
【新発見】犀星の童話「蟻の町」の初出誌発見(2020年4月25日)
童話集「五つの城」に収録されています「蟻の町」の初出誌を発見しました。それがこの子供雑誌「ツヨイコヨイコ」五月號(第十三巻第二号)です。出版社は小学館で、昭和18年5月1日発行となっています。
 確認したところ、「室生犀星文学年譜」(室生朝子、本多 浩、星野晃一編)の童話集「五つの城」では、「蟻の町」の初出誌は"未詳"とされていました。
 先日も「五つの城」に収録されている「おにぎり」の初出誌を発見しましたが、雑誌を調査していると犀星に関していろいろな発見をすることができます。

 「五つの城」の「まえがき」で犀星は「「ねずみの兄弟」と「二人のおばさん」が一等あたらしく書いたものですが、あとは、みな同じ時分にかいたものであります。「蟻の町」はずっと小さい人のお話になるのです。」と書いています。
【新発見】短篇小説・随筆集「余花」の白カバー異装本(2020年4月24日)
またまた新発見です。
 先日、インターネット古書店で、カバーが白い短篇小説・随筆集「余花」(昭南書房刊、昭和19年3月20日発行)を見つけて購入しました。
 本来は、鮮やかな朱色の本、カバー装ですが、届いた本のカバーは見事に白く、日焼けで色落ちしたのではないかと思い確認してみましたが、折り返しや裏面も白色で、当初から白色だったようです。紙質も悪く、比較的薄いようです。
 他の、白い函と同様に印刷所で、朱色の紙が足りなくなくなり同じ版下を使い、汎用の白い紙を利用してカバーを作成したというようなことだと思われます。ちょっと丈が短く、本の朱色がのぞいています。
 そのため、絶対数は少ないと思われます。
 貴重ですが、ちょっと残念な一冊です。やはり、この「余花」には、鮮やかな朱色のカバーが似合います。
【新発見】「詩の心 - 新しい詩と其の作り方抄 -」(2020年4月15日)
驚きの新発見です。
 先日、ヤフオクでこの「詩の心 - 新しい詩と其の作り方抄 -」(出版社、発行年月日不詳)を落札しました。
 タイトルに「新しい詩と其の作り方抄」とあるように「新らしい詩とその作り方」の抜粋のようです。
 確認したところ改訂版をベースに抜粋、構成を変更した内容となっていました。印刷はガリ版印刷で、装幀は和装綴り本となっており、これまで存在すら知られていなかった非常に珍しいものです。
 残念ながら、奥附がなく、詳細は不明です。

書籍情報の見方
各書籍毎に以下の表が掲載されてます。見方は以下の通りです。
①書名
②出版社名
③その書籍の発行日、およびサイズ、函、カバー等が付属している場合にはそれを表記しています。
④装幀者名
⑤この著書を実際に読むことができるサイトを紹介しています。
⑥一般的な古書価(完本美品)を表示しています。(函欠)は、その状態での一般的な古書価を表示しています。また、*は直近でのヤフオク等での落札価格を表示しています。
⑦入手困難度を星の数で表現しています。星の数が多いほど入手が困難であることを示しています。最大★5つ。
新らしい詩とその作り方①
文武堂書店刊②
大正7年4月10日発行 四六判 函③
装幀 恩地孝四郎
国立国会図書館デジタルコレクション http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/959361
参考価格 40,000 ~ 60,000 (函欠 5,000 ~ 10,000)*38,680⑥
入手困難度 ★★★★⑦

ちょっと違う話題ですが
以下のURLは、「紙で作った日本建築のブログ」です。
http://kaz476.blog.fc2.com/

右の写真は天平宝字3年(西暦759年)に創建された
唐招提寺です。
その他に、遷宮のあった伊勢神宮江戸城天守閣 第三期厳島神社京都御所(紫宸殿)などの日本建築を紙で再現した模型の写真がアップされています。
興味のある方はぜひ立ち寄ってください。


この室生犀星書籍博物館について
室生犀星は詩人として小説家として150冊を超える著書を出版しています。再版、別版の類を含むと優に200冊を超えています。
犀星は自身の著書に対し並々ならぬ愛情と情熱を持ち、その思いは装幀、造本にまで貫かれています。「装幀は、その本の内容を色や感じで現すべきだが、その書物の内容を知るのは著者以外にない、装幀に一見識持たない著者があるとしたら、それこそ嗤うべき下凡の作者である」とまで言い切っています。
作品には、文庫本や全集などで容易に接することができますが、やはり初版本から全身で感じることが犀星を深く知ることになると思い、このHPでは初版本を中心に犀星の著書の書影を掲載しています。

この「室生犀星書籍博物館」では、最初に出版された初版本から今も書店で購入できる本までを大正10年より前は著書別に、その後は出版年毎に掲載しています。
 ここに掲載しました書籍の写真は基本的には私自身の蔵書を撮影したものです。できる限り函、帯など出版当時の状態に近いものを掲載しています。
(今時点で、犀星の単行本で入手できていないのは、詩集「抒情小曲集 特製本限定35部」四季社刊(昭和9年12月5日発行)、短篇小説集「女の図 (特製限定100部本)」竹村書房刊(昭和10年6月15日発行)の二冊で、その他、異装本が数冊、完本(函欠等)ではないものが10冊程度あります。そのため、一部未掲載のものがあります。)

 また、参考のために、その書籍の参考市場価格を記載しています。
この価格はこれまで市場で実際に販売されていた価格を参考にあくまで私の主観で決めているもので、なんら保証するものではありません。また古書価は本の状態により大きく変わりますので、状態が良い場合には、これ以上の価格が付くことも珍しくありません。特に最近ではヤフオクで非常にコンディションが良いものが出品されるようになってきました。当時の状態そのままに残っているというのは非常に貴重で、落札価格も比較的高価になってきています。

犀星ファンの方からや犀星に関する質問などございましたらお気軽にメールを頂戴できればと思います。
このホームページにつきまして、ご意見や要望、掲載の内容に誤りがあった場合には、ぜひメールでご連絡いただければと思います。
E-mail:
p_kojima@ma.medias.ne.jp

「このホームページで使用している画像は著作権の侵害を目的としたものではありません。著作権に関して問題がある場合は、早急に対処させていただきますので、お手数ですがメールにてご連絡くださいますようお願いいたします。」


トピックス 2017/10/7 「新らしい詩とその作り方」増補版の謎 そのⅡ
以前、「『新らしい詩とその作り方』増補版の謎」として、京文社書店から出版された三版(右書影上)の奥附に記載されています以下の増補版が、
大正十三年五月四日 増補印刷
大正十三年五月十日 増補発行

昭和十三年六月一日 三版発行
実は存在せず、文武堂書店から大正14年4月5日に出版された「改訂版」が、増補版であり、再版との記載をさせていただきましたが、その裏付けとなる可能性のある記述を意外なところから見つけました。
それは、「三版」に掲載されている「再刊小言」です。
そこには、「それからこの本を再び世におくりだすことは、私の現在の心持とはかなり縁遠いものであるが、文武堂主人の熱心な懇請が否(いな)みがたく匇惶(そそくさ)の間に百枚あまり足らざる箇所を増補し、至らぬ箇所を改訂して剞劂(きけつ)に附した次第である。」とあります。

右の書影下は、文武堂から出版された「改訂版」の表紙ですが、「文武堂主人の熱心な懇請(こんせい)」で別の出版社の京文社書店から出版したとは考えにくく、これがまさにそこに記載されている「再刊」であり「改訂」したものだと思われます。
また、「改訂版」に掲載されている「再刊小言」には、「『新らしい詩とその作り方』初版は大正七年二月に発兌(はつだ)したものであって今から恰度六年前である。」との記載があり、そこから増補版が大正十三年に出版されていたのではとの話になったのではないかと推測されます。

トピックス 2017/5/5 「新らしい詩とその作り方」増補版の謎
右の書影は、犀星の最初の評論集「新らしい詩とその作り方」の改訂三版(函・本)です。京文社書店から出版されています。先日、珍しい函附きをネットで見つけて購入しました。
 奥附には、以下の発行記載がありますが、国立国会図書館や他の公立図書館の蔵書記録、古書展での販売履歴でも、増補版が存在した記録はなく、実際は三版から出版されているようです。
大正十三年五月四日 増補印刷
大正十三年五月十日 増補発行
昭和十三年六月一日 三版発行
 また、最下部には、小さく「大正七年四月十日初版発行」との記載があります。そのため、実際は以下のような出版の経緯のようです。
初版  大正7年4月10日発行 文武堂書店刊
改訂版 大正14年4月5日発行 文武堂書店刊
    (芳美閣版)
第三版 昭和13年6月1日発行 京文社書店刊


 参考までに、「室生犀星全集(新潮社刊)」の 「別巻二」に収録されています結城信一著の「書誌」には、「改訂新版 新らしい詩とその作り方 大正十四年四月五日・芳美閣」は記載されていますが、大正十三年五月十日の増補版については、その記載がありません。
 「室生犀星書目集成(室生朝子・星野晃一編)」では、大正十三年五月十日の増補版について「改訂新版」として記載があるもののその[補記]では、「昭和十三年六月一日発行の第三版(定価二円)にて、本改訂新版の初版内容を確認。」との記載があり、原本を確認できていないようです。
 これらの事からも、大正十三年五月十日の増補版は、存在せず、大正十四年四月五日出版の文武堂書店刊(芳美閣版)を指しているものと思われます。

トピックス 2012/06/16  田端文士村記念館と「犀星襍記」
先日、林 土岐男氏の「犀星襍記」を購入しました。「新らしい詩とその作り方」や「鮎吉・船吉・春吉」、「兄いもうと」など犀星の著書に関して書かれており、犀星や犀星の著書を知る上で非常に興味深い1冊です。特に、犀星の書籍の中で、複数の版が発行されており、蒐集として面白いものが取上げられており、「鮎吉・船吉・春吉」についても『鮎吉・船吉・春吉』をめぐってという題で出版の背景や著書について書かれています。
たまたま、同様に先日インターネットで田端文士村記念館を見つけて立ち寄って見ました。そこには芥川龍之介や犀星の著書が多く展示されており、犀星の著書としては、「愛の詩集」(函欠)や「鮎吉・船吉・春吉」(初版、函)、珍しいところでは「十返花」(函)の異装本が展示されていました。その他には、「抒情小曲集」、「性に眼覚める頃」の復刻版なども並べてありました。(残念!)
その後、「犀星襍記」のあとがきでこんな記載を見つけました。
「三年前、長く離れていた郷里に帰ることになり、その時東京・北区の「田端文士村記念館」に二百六十四冊の室生犀星の著作とそれに関連した資料を寄贈した。私個人のものとしておくのはしのびなかったからである。」と。つまり、私が見たのは林 土岐男氏の旧蔵書だったということになります。


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